mikan_yamano's review

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emotional reflective sad medium-paced
物語に溺れる少女時代、夢から覚めるような想いをし、現実を見ようとする中年、リアルの悲劇に打ちのめされ、仏に救いを求めるしかない老年。千年の時を経ても、私たち普通の人の一生は彼女とはそうそう変わらない。惨めとは言えないけど、決して恵まれていない。現実には夢物語のようなドラマチックの出会いやすごい偶然はごく稀で、やりきれなさ、悔い、悲しみはメイン。私たちはどうにか夢と現実折り合いをつけて、生きていくしかない。
現代語訳はすごく丁寧で読みやすい、でも物語の主旨(悲しみに飲み込まれず、筆で自分探しの旅を出たとか)について前向きに解釈しすぎたような気がします。
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